カナダで観光学を学ぼうと思っている人のためのブログ

カナダの4年制大学(観光学部)を卒業しました。主に時事ネタを欧米視点の観光学の知識をベースにゆるーく語っていきます。

Personalizationとかいうトレンド

こんにちは。

 

2020年も気づけば残すところあと僅か。今年は例のウイルスで海外旅行ができなくなりストレスが溜まっている人が多いことでしょう。かくいう私もその一人です…

 

 

日本ではGo Toトラベルキャンペーンが色んな業界を経済的に助ける為に施行されているようですが、皆さん利用されましたか?

 

news.yahoo.co.jp

 

私の勝手な妄想ですが、この政策のもう一つの狙いは感染の広がり方のデータを取ることだと思います。このデータを元にこういう対策をすれば感染率をここまで抑えられますよ~って諸外国にアピールして2021年にオリンピックを開催したいんじゃないかなぁと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーソナリゼーションとは

 

 

閑話休題、本題に入ります。突然ですが皆さん「パーソナリゼーション (Perzonalization)」って聞いたことありますか?自分用にカスタマイズするって意味です。厨二病っぽく言うと「俺色に染める」ってことです。わかりましたか?笑 一番わかりやすいであろう例をあげると、スターバックスで抹茶ラテを頼んで牛乳の代わりに豆乳を投入、さらにチョコチップを追加、っていうアレです。スターバックスが世界的に成功した理由の1つがこれです。現代人、特にミレニアル世代(日本でいうゆとり世代くらいの世代)にこれがウケているわけです。言い換えると、既製品よりそれを自分好みに変えたものの方が消費者に好まれるトレンド、ということです。

 

 

 

 

旅行との関係

 

ここまで読んで、「おいおいおい、これが旅行とどう関係あるんだ?用語の意味はわかったけどよ。」という人が多いことでしょう。安心してください。今解説します。

 

 

さて、これまた唐突ですがSpecial Interest TourismもしくはNiche Tourismという用語はご存知ですか?ニッチ、という横文字は聞いたことある人は多いかと思います。Nicheと書いてニーシュと読みます。Special Interest TourismNiche Tourismも両方とも自分が興味のある特定の分野のことを達成するためにする旅行のことを指します。例えば、あなたがコーヒーマニアだとしましょう。ふと今回の旅では西海岸で飲むいつもの味を堪能したいと思い、スターバックス本店やブルーボトルコーヒーなどのアメリカ西海岸発祥のカフェを何件も巡ることにしました。コーヒーマニアのあなたは旅行中にカフェインの快楽に溺れて幸福感MAXになるでしょう。さらに、この旅行プランは旅行代理店ではほぼ確実に見つけることができません。なぜならこの旅行はあなたの興味をベースに計画したもので、万人にウケるとは限らないからです。(そもそも団体客が観光バスでカフェを転々とするところを想像したらそれはそれでヤバいですよね…コーヒー会社の視察ツアーならまだしも一般旅行客向けでは無さそう。)

 

どうですか?パーソナリゼーションと旅行の関係性がわかりましたか?要するに旅行も旅行代理店が観光スポットだけを寄せ集めて作った旅行計画より、自分の興味ベースで作った旅行計画の方が自分の欲求を満たしてくれる、ということです。もちろん旅行代理店が販売しているプランが自分の興味あるもので固められているのならそれはそれで良いことですし、旅行代理店も顧客のニーズに合ったプランの作成を手伝うサービスも提供しています。(学校・法人向けは特にそう。修学旅行とか視察とか。)

 

 

www.doxee.com

 

digitalagencynetwork.com

 

 

何でこれについて書こうと思ったか

 

 

私は大学卒業後1年間は旅行代理店で働いていたのですが、カナダの永住権の申請をするなら飲食業界で働いた方が楽そうだな~っていう軽い気持ちで調理師に転職したのですが、そこで働いていくうちにみんなパーソナリゼーションしすぎ問題に直面しました。例えば、私セリアック(小麦粉アレルギーの人)だからグルテンフリーのパン使って、と注文する客や、このサンドイッチは野菜抜きで作ってくれない?子供が野菜嫌いなの。と仰せられるお客様や、そもそもメニューにBuild Your Own (BYO) Salad(自分で好きな野菜を選んで作るサラダ)があったり等など数え切れないくらいのバリエーションの対応を求められます。はじめのうちは「おいおい、シェフがこの組み合わせが良いと思って組み立てた一品なのにそれを壊すのか?とか子供に好き嫌いさせるのか?」って思ってましたが、Special Interest TourismやNiche Tourismのことを考えたら少し納得しました。

 

そもそも日本では北米ほどこのトレンドが浸透していないように感じます。スターバックスはともかく、(サンドイッチの)サブウェイが一応店舗はあるけどすごい人気があるわけではないのは好き嫌いを押し通すの(=わがまま)は良くないと家庭で教育されるからでしょうか(某ラーメン屋ではヤサイマシニンニクアブラカラメという呪文の詠唱が必要なようですが)。旅行に関してはネットで格安ホテルや格安航空券などが簡単に予約できるようになったため、家族との旅行でも友人との旅行でも比較的利用者は多い気がします。北米のサービス業ではパーソナリゼーションができないなど、融通がきかないとやっていけないみたいな雰囲気があります。皆さんは日本でのパーソナリゼーションについてどう思いますか?顧客満足度を高める為には必要不可欠なトレンドだと思いますか?

 

また海外旅行ができるようになった時に少しでもこのことを思い出して頂けたら幸いです!